ゴールデンウィークが近くなると、鯉のぼりが青空を泳ぎ始めますね。
幼稚園や保育園では、入園の飾りつけが終了する4月の半ばくらいから鯉のぼりを飾るのではないかと思います。
そんな鯉のぼりには、真鯉と緋鯉がありますよね。
これには、どんな違いがあるのでしょうか?
単純に考えると、色と大きさの差があると思いますが、由来なども違うものなのでしょうか?
鯉のぼりの真鯉とは
最初に「真鯉」について紹介していきます。
真鯉とは、一番上に来ている鯉のことを指します。
鯉のぼりを飾るようになったのは、江戸時代だといわれています。
その時には、実は黒い色の真鯉だけを飾っていたんだそうです。
当時の絵を見ると、結構リアルな鯉だったっぽいです。
鯉のぼりのそもそもの由来は、中国の故事からきています。
昔、竜門というかなり危険な滝がありました。
その滝を一匹の鯉が頑張って登って行ったそうです。
鯉の滝登りですね。
竜門を登った鯉は、その努力と強さをたたえられて龍になった…。
こんな伝説です。
登龍門という、言葉のもとにもなっていますね。
子どもがどんな苦難にも立ち向かって未来を切り開き、大物になってほしいと願う親心が鯉のぼりを飾るようになった由来なんだそうです。
鯉のぼりの緋鯉とは
では緋鯉について見ていきます。
緋鯉というのはその字が表している通り、赤っぽい鯉のことです。
朱色やオレンジがかっているものも、緋鯉といいますね。
大きさ的には、真鯉と緋鯉はたいして変わりません。
…というのは本物の鯉の話。
では鯉のぼりの話に戻ります。
最初は鯉のぼりの真鯉だけを飾っていた…としたら緋鯉はいったいどこから出てきたんでしょうか?
これもさかのぼって調べてみると、緋鯉が登場したのは明治時代くらいから。
江戸時代に鯉のぼりが始まったことから考えると、真鯉の独身時代は結構長かったようですね(笑)
緋鯉とセットで飾られていた時期というのがこの明治時代から昭和30年代くらいまでだったそうです。
この昭和30年代が終わると同時に、鯉のぼりは家族として売り出されます。
この30年代が終わると…ってのが意図的ですよね。
それもそのはず!
昭和39年には東京オリンピックがありました。
オリンピックの五輪を見た時に、鯉のぼり職人が「家族売りにしよう!」と思いついたんだとか。
童謡の「こいのぼり」にはお母さんが出てこない?
大きい真鯉は おとうさん~
小さい緋鯉は こどもたぁち~
…こどもたち!?
家族売りしているので緋鯉はてっきりお母さんだと思いますよね。
でもでも!
童謡の「こいのぼり」では、お母さんの存在はありません。
これはなぜに!?
実は「こいのぼり」の歌が出来たのは昭和6年です。
先ほどの鯉のぼり年表に照らし合わせてみると…そう!
昭和6年は鯉のぼり2匹セット時代なんですよね。
そして当時は「家長のお父さん、偉い!」「家を継ぐ長男は偉い!」という時代。
男尊女卑まっしぐらですね。
おかあさんという存在を、みじんも考えない時代にできた歌なのでお母さんが登場しないんです。
今現在の鯉のぼりは、家族売り時代。
ということで、緋鯉にはお母さんの役割が与えられるようになってきています。
鯉のぼりの歌むかつく!と思ったお母さんたちへ!
鯉のぼりの歌、お母さんの立場からするとちょっとむかつきますね(笑)
童謡だし、名曲でもあるからそんなに目くじら立てないでよ!と思う反面、なんかモヤっとします。
しかし、鯉のぼりの歌にはこんな解釈もあるんだそうです。
鯉のぼりを上げる子どもの日は「子どもの成長を祝い、幸福を図るとともに母に感謝する日」として作られています。
そう、母に感謝するんです。
そう考えるとこいのぼりの歌は、お父さんと子どもたちが面白そうに泳いでる歌。
つまり…お父さんがいつも忙しくしているお母さんを開放して、子どもの面倒を見ている歌だったんだ!
という解釈です。
いや、苦しい言い訳だとはわかってるんですよ。
だって、鯉のぼりの歌が子どもの日の制定よりもずっと前だし(笑)
でも、こんな風に考えると少し溜飲が下がりますね。
むかついたお母さん方!お父さんに「鯉のぼりってこういう意味らしいよ!」と伝えてみてください(笑)
鯉のぼりのこれからはどうなる?
真鯉だけだった鯉のぼり。
緋鯉が入り、青い子鯉が入り…。
そんな鯉のぼりの、最近の進化を感じるシーンがありました。
子鯉が青の他にも緑、オレンジ、黄色、ピンクなどがあるんです。
男の子のお祝いだから青!いうのは最近のジェンダー論的にナンセンスになりつつあるんでしょうね。
となるとこれから、どんどんいろんな色の鯉のぼりが増えてくるのかなと思います。
鯉のぼりを家族に見立ててカラフルな鯉のぼりが空を泳ぐ日も近そうですね☆
鯉のぼりの真鯉と緋鯉まとめ
時代とともに変遷してきているのに廃れない、鯉のぼりという行事。
その由来を深く知ることで理解が深まると思います。
今年の鯉のぼり、ぜひ新鮮な気持ちで眺めてみてくださいね☆
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