いろいろなこだわりを持って手に入れるマイホーム。
マンションなどのような分譲住宅とは違い、家主の個性を生かして建てることが出来る戸建て住宅は、住めば住むほど家に愛着がわいてくるものですよね?
でもいろいろなこだわりを持って建てた戸建て住宅も、一年を通して住んでみなければその家の本当の性格というものが見えてこないこともあります。
その一つが、戸建て住宅における夏の暑さに関する問題です。
最近は狭い土地を有効に活用するために3階建ての戸建て住宅を建てる方も増えていますが、実はこの「3階建て」ということが猛暑続きの日本の夏に大きな問題となっています。
そうはいってもせっかく手に入れたマイホーム。
3階部分の暑さが大変だというだけで手放すことは、さすがに出来ませんよね?
そこで今回は、ようやく手に入れた3階建ての戸建て住宅で夏の暑さを乗り切るために実践していきたい「戸建ての3階(最上階)の暑さ対策」について紹介していきましょう。
戸建ての3階部分は本当に暑くなるの?
戸建て住宅に住む人には、「家の中にいても1階・2階と比べて最上階の3階の暑さが耐えられない」と感じる人もいます。
逆に「マンションと違って最上階でも快適に過ごすことが出来る」と感じる人もいます。
一体どちらの意見が正しいのでしょう?
●最上階の暑さは窓ガラス対策によって違いが出る
戸建てでも注文住宅の場合、間取りだけでなく窓の設置場所や広さ・大きさなども自由設定することが出来ます。
さらに言えば、素材においても家主の希望を反映させることが出来ます。
実はそのことが、戸建ての最上階の暑さに大きな違いを生む原因となっているのです。
もともとRC構造の場合、最上階となる3階部分の屋根はコンクリートになっています。
コンクリートは太陽光を蓄熱してしまう性質があり、このことが戸建て3階部分の暑さを引き起こす原因となります。
さらに問題となるのが、窓ガラスになります。
窓の位置や素材を自由に決めることが出来る戸建て注文住宅では、家主の意向が大きく反映してきます。
例えば見晴らしがよいことを優先させて西側に大きく窓を取り付ければ、西日が直接部屋の中に入ってきますから気温の上昇は避けられません。
さらに費用を抑えるために窓ガラスの素材の性能がそれほど高くないものを使ってしまうと、そのことが原因で室温が上がってしまうことがあります。
窓はデザインだけでなく、断熱性能が高いものを選ぶことが重要になります。
なにしろ、夏の室温の上昇を大きく左右するのは窓から侵入する太陽光!
つまり窓ガラスを耐熱性の高いものにすることによって、3階建てであっても十分に快適に過ごすことが出来るようになるのです。
3階建ての暑さ対策は身近なものから始めよう
マイホームを購入したばかりなのに、すぐにリフォームをするというのは正直厳しい…。
それでもこれから長く住み続けるマイホームなのですから、まずは身近なことからで暑さ対策を始めていきましょう。
●すだれを使って窓からの熱をシャットアウト
2階建てとは違い風が強い3階部分ですが、太陽熱の影響を受けやすいのが3階です。
ですからまずは窓から入ってくる熱の対策を始めるのが、夏の暑さ対策としては手っ取り早い方法です。
窓ガラスを、現在使用しているものよりも耐熱性が高いものに切り替えるのが、最も有効な方法なのですが、これでは費用が掛かってしまいます。
それならば、昔ながらの方法ではありますが窓にすだれを設置してみましょう。
すだれを窓に立てかけるだけでも、窓から侵入する太陽熱をカットすることはできます。
しかもすだれであれば不要の場合は簡単に収納することが出来ますから、全体的なバランスやデザインを重視したい人には特におすすめのアイテムです。
●3階の部屋にこもった熱い空気を外に排出させる
3階が暑いということを理由に部屋を閉め切った状態にしているのも、室温が高くなる原因となります。
特に空気には「温度によって重量が違う」という性質があります。
空気の重量は、温度が高いほど軽く温度が低いほど重いのが特徴です。
ですからいくら2階がエアコンで涼しくなっていたとしても、2階の冷気が3階にまで上がっていくことはありません。
逆に2階にあった熱い空気が3階へと移動してしまうため、さらに3階部分の温度を上げる原因にもなります。
これを避けるためには、2階から3階にかけて扇風機をかけ、3階の窓から熱せられた室内の空気を排出させるということが大切になります。
とにかく3階部分の温度を下げるためには、家の中を常に新鮮な空気が循環していることが重要なのです。
戸建て住宅はマンションよりも暑いの?
猛暑が続くようになってからここ数年の間で、住まいの夏の暑さに対して不満や悩みを抱えている人が急増しています。
中でも「マンションの最上階だから暑い」とか「戸建て住宅だけど築年数が古いから暑い」などがよく見られます。
ではマンションと戸建て住宅では、本当に夏の暑さに違いがあるのでしょうか?
●そもそも建物の構造によって暑さ対策に違いが出る
住宅の暑さについていえば、建物の種類が「マンションである」「戸建てである」ということあるということが暑さの違いと直接関係しているわけではありません。
とはいえ「全く関係がない」ということでもないのです。
そもそも建物には簡単に分けて「木造の家」と「鉄筋コンクリート(RCの家)」の2つがあります。
一般的な戸建て住宅の場合は、木造またはRC構造のどちらでも建てることはできます。
ところが3階以上の建物を建てる場合は、耐震性を確保しなければならなくなるため重量鉄骨を使うことが多くなります。
重量鉄骨を使った建物は、鉄骨そのものがしっかりと建物を支えることが出来るため、少ない柱でも耐震性に優れた建物を建てることが出来ます。
柱が少なくて済むことで間取りを自由に設定することが出来るようになるため、マンションや狭いスペースを有効に活用したい3階建ての戸建て住宅などでよく使われる製法です。
ところが鉄筋コンクリートの家の場合は、コンクリートが持つ「直射日光の熱をを蓄熱しやすい」という欠点は避けられません。
そのため建物の地震に強い建物ではあるのですが、夏の暑さには弱いのです。
戸建ての3階が暑いまとめ
愛着のある戸建てのマイホームですから、一年中快適に過ごし続けていきたいものです。
3階部分の暑さ対策は、暑さの原因が分かれば今回紹介した方法以外にもまだまだ有効な対策法は見つかるはずです。
ぜひ自分の家にあった最上階の暑さ対策を見つけてみてくださいね。
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